2. どぶろくの造り方





ドブロクのいいところは、特別な道具なしに作れること。
基本的に用意する道具は、どこのご家庭でも日常使われているものばかりです。
また、無くても代用のきく物ばかりです。





<課程1>・・・ご飯を炊く



           **  家庭で使用している炊飯器を使います。 **


材料の米3合を2合のメモリの水加減で炊きます。
(セイロで米を蒸した状態と同じにするため)

この時日本酒を、おチョコ1杯入れるとお米の芯が残りません。
でも、日本酒がなければわざわざ買ってきてまで入れなくても大丈夫です。
もちろん入れたほうがいいのですが、入れなくてもちゃんと出来上がります。

お米の吸水の必要もありません。すぐに炊いてもいいです。

炊きあがりに芯があっても気にしないでいいです。
いくらか焦げても、それも気にしないでいいです。^^;

お米は発酵していく段階で、だんだん解けてきますから、
炊き上がりは全然アバウトで構わないのです。(笑)








<課程2>・・・ご飯と材料を混ぜる


       
         ** 広口の容器を用意してご飯と材料を混ぜ合わせます。 **



お米が炊き上がったら10分くらい蒸して置いて、広口の容器に移し、
これに、冷蔵庫で冷やしておいた天然水800〜1000ミリリットルを
一気に入れてかき混ぜます。(水の量も適当でいいです。目分量で)


お好みで水の量は加減してください。
この間であれば大丈夫です。
アルコール度数と濃度が高いか低いかの違いで。
この時は軽く混ぜ合わす程度でいいです。

これで水温が自動的に40度くらいになり、
発酵させるための初期の温度管理が全く不要となります。


 **  材料とと混ぜる **


米コウジ 250g
プレーンヨーグルト 大さじ1杯
ドライイースト 6g(1袋6g入りです)


これらの材料をご飯と水を混ぜ合わせた容器に入れます。
そして、シャモジかヘラでゆっくりかき混ぜます。

この時温度が高いと菌が死んでしまいます。
人肌より少し暖かい程度でいいです。
40度前後が望ましい。
(40度以上、20度以下であれば大丈夫です)

あとは雑菌が入らないようにサランラップをかぶせて置きます。
この上にフタをする時は、きつく閉めないで軽くかぶせる程度にしておきます。

発酵の課程でたくさんの炭酸が発生するので、強く締めると破裂したり、
またフタを開ける時、ふき出したりして危険ですから注意が必要です。





ヨーグルト菌は酸味や風味を増すのに使うだけなので、
入れなくても酔える酒にはなります。

酸味が気になれば入れなくても構いません。

でも、私的には入れたほうがさっぱり感があって好きです。
酸味を強くしたければ、ヨーグルトの量を増やせばいいし、
お好みによって加減できます。(^^)



これで仕込み完了です。



ご飯が炊き上がるのを除けば30分もかかりませんね。^^



あとはそのまま常温で3〜4日ほどおきます。
冬場はストーブのある暖かい部屋に置くといいでしょう。

厳密に温度管理はしなくても大丈夫です。
よっぽど寒くなければちゃんと発酵がはじまります。






参考までに。。


もしも、上記のような広口の容器がない場合には、お味噌の入ってた容器(樽)でもかまわないです。









<課程3>・・・発酵させる



早ければ半日ほどで発酵が始まりお酒の甘い香りがしてきます。


仕込みをした直後は、米が水分を吸ってしまって、ほぼ"固体"の状態ですが、
1日くらいで発酵がはじまり、やがてドロドロの液体に変化していきます。

プクプクと気泡が上がってきます。

時間がたつに連れてどんどん液化してきて、
ツンとするアルコールと甘い米の匂いが漂ってきます。

容器内はプツプツと音を発してきますが、それは二酸化炭素です。



発酵して米粒が上に浮いてきますので、
1日に1回程度、シャモジかヘラで軽くかき混ぜます。

ドロドロの液体の状態になってきますが、
この状態を"もろみ"といいます。絞るまえの原酒です。

このまま飲むことも出来ます。
甘酒のようなトロトロ感が好きな人はいいかもしれませんね。

アルコール度数を高くしたい時には、かき混ぜる時に、
小さじ2、3杯程度の砂糖を混ぜてやるといいです。

これはドブロクマニアに言わせると「邪道」なのだそうですが、
まあ趣味の酒造りですし、硬いことはなしということで…

フタをする時に、かぶせて置いたサランラップは、
雑菌を防ぐために新しい物と取り替えます。








<課程4>・・・しぼり込み



3日〜4日ほどで、夏場だと2日半ほどでしぼり込みです。


容器からシャモジを使ってザル(目の細かい金属のザル)へ
少しずつ移し、米粒と液体に分けます。

ザルに残った米粒を綿の布巾かガーゼでしぼり込みます。
布巾でしぼると白濁した液体が”どぶろく”で、しぼり粕が”酒粕”です。

この”酒粕”も再利用できます。
魚などを粕漬けにしてもいいですし、

お水とお砂糖を加えて甘酒を造ってみたりとか、、
これも女性には結構イケますよ。。。(*^-^)ニコ






後は酒粕を取り除いた白濁の液体を、
ジョウゴを使って瓶に移し変えます。

但し、この”ドブロク”は酒粕を取り除いても、
発酵が進んでいきます。

移し変えても1週間は、
二酸化酸素を出し続けていきます。

そこで、”ドブロク”の瓶に注意が必要です。



ガラス瓶やジュースのペットボトルは
破裂する危険がありますから、

”炭酸飲料”のペットボトルが1番安心です。

試しにジュースのペットボトルに入れたら、
ボコボコ・パンパンになり破裂寸前までいきましたから。
・・・(;^_^A アセアセ・・・




出来上がりの量はだいたい1〜1.3リットルになります。

ペットボトルに入れる時の注意としては、

発生する二酸化炭素を貯めておくスペースが必要ですから、
八分目くらいに入れて下さい。それ以上入れると発酵した時あふれ出てきたりします。

1.5リットルの炭酸飲料の瓶が1本あれば丁度いいですね。
フタをきっちりして炭酸を逃がさないようにしておきます。

さらに常温で半日〜2日放置します。そうすると瓶内で二次発酵が進み、
二酸化炭素がとけ込んでスパークリングっぽくなります。
ペットボトルはキンキンになっています。

炭酸の具合は、この瓶内発酵の時間にかかっているので、
試行錯誤のうえお好みに応じて、微炭酸からビールのような泡まで調整できます。

底の方に白い沈殿が出来て分離しますが、混ぜれば元通りになります。

そのままフタを開けずに冷蔵庫で冷たく冷やして置けば、
炭酸がきいた”シャンパン風ドブロク”の出来上がりです。


多めに作った時には、1週間ほどで炭酸が抜けますので、
ガラスの瓶に移し変えて冷蔵庫で保管して置くといいです。

冷蔵庫に入れれば、発酵速度は極端に遅くなるので、
そのままの状態で2週間くらいは持ちます。

但し、炭酸は消えちゃいますけど・・・。

炭酸がきいた状態で飲みたいのであれば、
数日以内というのがベストのようです。




飲む際にはいきなりフタを開けない事です。

炭酸がぎっしり詰まっていますから、
中身がシャンパンのように噴き出してしまいます。

中身のあわ立つ様子を見ながら
徐々にフタを回して、炭酸を抜きながら開けてください。





”ドブロク”は瓶に入れておくと分離しますから、
上澄み液だけを飲むと、
炭酸が抜けた後は日本酒のような味がします。

でも、炭酸がぬけてもそれはそれで、酸味があって美味しいし、
なんと言っても飲みやすい感じがします。





時間をかければ発酵が進んで、アルコール度数は高くなりますが、
限界がありますし、度を越すと、酸味がつよくなるので注意。

出来上がりは冷やして飲むのが一番おいしいです。。

日本酒のようなコクや味わいは望めませんが、それをカバーするのが炭酸です。
泡と酸味の利いたシュワシュワ感が楽しめる”シャンパン風ドブロク”。

こっそり、そっとお家の中だけの楽しみに挑戦してはいかが?(笑)

但し、それは自己責任でです。・・・(;^_^A





<参考図書>

「台所でつくるシャンパン風ドブロク」..山田陽一・著
・・・(農山漁村文化協会1991年,1267円)

しぼりたてを味わう究極の生酒つくりを写真とイラストで詳解。
麹、イースト、乳酸菌を使って30分で仕込んで3日で飲めるドブロクをつくる。

ドブロク造りの工程を徹底的に簡略化し、
しかも家庭の普通の道具で造れるようにスケール・ダウンして、
誰でも自分の家で造れるようにした画期的なレシピを中心に、
ワイン・ビール作りまで解説した入門書。




-- 注意 --


日本の法律では、個人が酒を作ることは違法とされています。

販売目的ではなく自分で飲むためであっても密造とみなされ、
酒税法第54条により、 密造者は5年以下の懲役または50万円以下の罰金、
所持していた場合も1年以下または20万円以下の罰金となっております。





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